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アメリカはイムラン・カーン首相の解任をパキスタン政府に促していた ~パキスタン政府の機密文書「2022年3月7日 パキスタン外交暗号」の一部の要点より

「シャンティ・フーラ」よりの転載

転載はじめ
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アメリカはイムラン・カーン首相の解任をパキスタン政府に促していた ~パキスタン政府の機密文書「2022年3月7日 パキスタン外交暗号」の一部の要点より


竹下雅敏氏からの情報です。
 昨日の記事で、「2022年春、米国務省は、パキスタンのカーン首相(当時)がロシアのウクライナ侵攻に対して中立のスタンスを取っていたことが不満で、パキスタン政府に対してカーンを首相から解任するように圧力をかけていたことが機密文書から判明」したことをお伝えしました。
 冒頭の記事は、その「パキスタン政府の機密文書」を入手したインターセプト紙のもので、「2022年3月7日 パキスタン外交暗号」の一部の要点のみを引用したものです。
 ドナルド・ルー国務次官補(南アジア・中央アジア担当)は、パキスタンのアサド・マジード・カーン駐米大使(当時)に、ウクライナ危機に関するパキスタンの立場に言及し、「なぜパキスタンがこれほど積極的に中立の立場を取るのかについて非常に懸念している」と述べ、「首相に対する不信任投票が成功すれば、ロシア訪問は首相の決断とみなされるので、ワシントンではすべてが許されると思います。そうでなければ、この先は厳しいと思います」とイムラン・カーン首相の解任をパキスタン政府に促していたのです。
 櫻井ジャーナルもこの問題を取り上げ、「議会や裁判所はアメリカ政府の意向通りに動いたわけだが、国民は強く反発し、大規模な抗議行動や暴動という形で表面化した。」と解説しています。
 インターセプト紙によれば、アメリカの庇護のもと長年にわたりパキスタン政治の実権を握ってきたのはパキスタン軍であり、「この情報筋は、流出した文書によって、軍の一般人だけでなく一般の人々がパキスタン軍について長年疑問に思っていたことが最終的に確認され、組織内での清算が強制されることを期待していると付け加えた。」ということです。
 「越境3.0チャンネル」の石田和靖氏が「じゃ結局アメリカの民主党政権がイムラン・カーン首相をクビにして逮捕しちゃった?(2分53秒)」と聞くと、国際ジャーナリストのフマユン・ムガール氏は、“反米の思想を持った総理大臣は危険だという事で、そこで軍としてはやっぱりね、パキスタン軍はアメリカ寄りです。はっきり言ってね。アメリカから軍事支援もらってるし、今まで全部20年の付き合いあるから、アメリカ軍と。だから簡単には切れないですよ。だからイムラン・カーンが軍の言う事を聞かなかったんですよ。軍としてはできればちょっとアメリカとフレンドリーになってくれと言うんだけれど、イムラン・カーンはNO!…じゃ、もうクビだってなって…”と説明しています。
 さらに3分33秒で、“実際、やっぱ汚職で逮捕されて、やっぱ彼、自分じゃなくて周りの部下が、みんなやっぱり不正やってます。彼の奥さんとか、相当土地買ったりとか、それもやっぱりバレたから、軍はもう逮捕だって言ってですね、今ね軟禁状態ですよ。…ただ国民はね、それはなぜか彼を逮捕した途端に、彼のPTI(パキスタン正義運動)、この支持者が軍の施設を燃やしたりして…とんでもない事をやったんです。軍が被害を受けたんですよね。ただ軍はアクション起こさなかったんですね。一つも発砲してない。だったら大変なことになるから。それでこれはもうこの政党は、とんでもない危険な政党であるから、やっぱりアンチアメリカなんですね、基本的に。これだったらいずれ俺たちもやられるんじゃないか。内戦起きる可能性が高いです。それを止めさせるために、イムラン・カーン代表、イムラン・カーンの全ての政治団体も弾圧したんです。これ本当の話です”と話し、「裏側全部アメリカです(6分36秒)」と言っています。
(竹下雅敏)
注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。


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イムラン・カーン解任への米国の圧力を示すパキスタンの極秘文書
パキスタンのイムラン・カーン首相に対する不信任投票が成功すれば、「すべては許されるだろう」と米国の外交官は語った。
引用元) The Intercept 23/8/9 ライアン・グリム、ムルタザ・フセイン
(前略)
2022年3月7日 パキスタン外交暗号(文字起こし)
(中略)
「機密」と記されたこの公電には、ドナルド・ルー国務次官補(南・中央アジア担当)を含む国務省高官と、当時パキスタンの駐米大使だったアサド・マジード・カーン氏との会談に関する記述が含まれている。



私は本日、レ・ヴィゲリー国務副次官補を同伴して、ドナルド・ルー南アジア・中央アジア担当国務次官補と昼食会を行いました。 DCM、DA、カシム参事官が私に加わりました。 ドン氏は冒頭、ウクライナ危機に関するパキスタンの立場に言及し、「国内と欧州の人々は、もしそのような立場が可能であるなら、なぜパキスタンが(ウクライナに対して)これほど積極的に中立の立場を取るのかについて非常に懸念している」と述べた。
(中略)
私はドンに、米国の強い反応の理由は、パキスタンが国連総会での投票を棄権したことにあるのかと尋ねた。彼はきっぱりと否定的に答え、首相のモスクワ訪問が原因だと言った。彼は次のように述べた。「首相に対する不信任投票が成功すれば、ロシア訪問は首相の決断とみなされるので、ワシントンではすべてが許されると思います。そうでなければ、この先は厳しいと思います」。


彼は間を置いてから、「これがヨーロッパにどう映るかはわからないが、彼らの反応も似たようなものになるだろう」と言った。そして、「正直なところ、首相に対する孤立感はヨーロッパやアメリカから非常に強くなると思う」と述べた。
(以下略)


(続きはこちらから)


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パキスタンの首相排除は米政府に促されて実行したことを示す秘密文書が明らかに
引用元) 《櫻井ジャーナル》 23/8/11
インターネット・メディアの​インターセプトがパキスタン政府の機密文書を公開​した。その文書にはアメリカの国務次官補だったドナルド・ルーやレ・ヴィグリーを含む国務省高官が当時の駐米パキスタン大使のアサド・マジード・カーンと2022年3月7日に行った会談の記録が含まれている。
(中略)
今回、公表された文書によると、その会談でアメリカ政府はパキスタン政府に対し、カーンを排除するように促している。
(中略)
2022年4月に内閣不信任決議案を提出されるが、下院議長は却下。解散総選挙に打って出るとカーンは表明し、4月3日に議会は解散されたものの、4月7日に最高裁が議会解散を違憲と判断、4月10日に内閣不信任決議案の採決が行われて可決されて軍を後ろ盾にするシャバズ・シャリフ政権が誕生した。


議会や裁判所はアメリカ政府の意向通りに動いたわけだが、国民は強く反発し、大規模な抗議行動や暴動という形で表面化した。そこで軍は市民の自由を大幅に削減し、軍への批判を犯罪化、国内経済における軍の役割を拡大して国内は麻痺した。言論統制のひとつの結果として、アメリカ政府に従属する軍に批判的なジャーナリストが殺害されたり行方不明になったりしている。軍は独裁体制へ向かっている。
(中略)
パキスタンでは来年の初めまでに選挙が実施される予定だが、カーンが出馬すれば確実に勝利し、首相に返り咲くと考えられている。そこでカーンや彼の政党を弾圧、弁護士を立ち合わせない裁判で禁錮3年の判決が言い渡された。今後5年間、カーンの立候補を認めないとされている。
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【グローバルサウス】アメリカに逆らうとこうなる?!アメリカの策略によって辞任逮捕されたパキスタン,イムランカーン首相
配信元) YouTube 23/6/18

【グローバルサウス】アメリカに逆らうとこうなる?!アメリカの策略によって辞任逮捕されたパキスタン,イムランカーン首相




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転載おわり